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本法は,通商産業省 製品評価技術センターが安全基盤業務の一環として,繊維製品中による皮膚障害事故の原因究明手法の確立を目的に定性試験方法として考案したものである。現在,事故品により同法の実証を行っており,暫定的な試験方法である。また、本法が用いる抽出溶媒についても、より安全な代替溶媒を検討中である。
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この試験方法は,各種染料・加工剤を施した繊維製品による皮膚障害事故のうち特にアレルギー性接触皮膚炎の原因究明のため,これらの物質を定性する手法を規定する。
備考
ここにいう繊維製品による皮膚障害事故とは,繊維製品に施された加工剤等が皮膚に接触することにより湿疹やかぶれ等の皮膚障害を起こす事故をいう。したがって,物理的・化学的刺激による皮膚障害は適用外である。
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定性試験は,次の手順によって行う。
(1)加工剤試験
(a)抽出 試料につき約5gの試験片を採取し,還流冷却器を付けた500ml容量のナス型フラスコに入れ,抽出溶媒 注1) を200ml加える。これを抽出溶媒の沸点まで加温し,1時間煮沸抽出を行い,ガラスフィルタ(3GP160)で温時ろ過する。この試料溶液を200ml容量のなす形フラスコに入れ,ロータリーエバポレータを用いて溶媒を5ml程度になるまで濃縮する。
注1 抽出溶媒は,JIS K 8858(ベンゼン(試薬))の特級のもの,JIS K 8891(メタノール(試薬))の特級のものを1:1(Volumeによる比率)の混合溶液として用いる。(溶媒の変更を検討中)
(b)分離・精製 分離・精製は,カラムクロマトグラフ法 注2) により行う。カラムクロマトグラフ管は,ガラス製で内径15mm,長さ300mmのものに球形シリカゲル(粒径:100〜200μm)を詰めたものを用意し,(a)により抽出した液を入れ,以下の<1>〜<7>の溶媒を順次各100ml送液する。
(溶 媒 注3) )
| <1>ヘキサン |
100ml |
| <2>ヘキサン:クロロホルム 1:1( V / V )混合溶液 |
100ml |
| <3>クロロホルム |
100ml |
| <4>クロロホルム:メタノール 1:1混合溶液 |
100ml |
| <5>メタノール |
100ml |
| <6>メタノール:水 1:1混合溶液 |
100ml |
| <7>水 |
100ml |
注2) 現在、カラムクロマトグラフ法を検討中で構成は図1のとおりである。
図1 構 成
注3)溶媒は,JIS K 8848(ヘキサン(試薬))の特級のもの,JIS K 8322(クロロホルム(試薬))の特級のもの
(2)遊離ホルムアルデヒド試験 JIS L 1041(樹脂加工織物及び編物の試験方法)の5.3.1(2)(b)及び(c)法により行う。
(3)染料及び蛍光増白剤 JIS L 1065(染色物の染料部属判定方法)及びJIS L 1064(繊維製品の蛍光増白剤部属判定方法)により部属を判定する。 (検討中)
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2.により分離・精製した各溶出溶媒をロータリーエバポレーターを用いて除去する。次に,分析用試料およびパッチテスト用試料を以下の手順により作成する。
(1)分析用試料の作成 分析用機器に併せ調整する。
(2)パッチテスト用試料の作成 <1>〜<7>の残分が1%程度 注4) になるようにワセリンと混合しパッチテスト用試料を作成する。なお,均一に混合しない場合は,加温しワセリンを溶解して混合する。
注4)現在、パッチテスト用資料の濃度は、規定が困難なため、暫定的な値である。
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| 医療機関により実施する。パッチテストは,アルミニューム製フィンチャンバーに(2)で作成した試料を入れ,人体の一部に貼付する。貼付は,原則48時間とし,判定は,24時間,48時間,72時間及び1週間後とする。また,判定基準は,国際接触皮膚炎学会(以下「ICDRG」という。)基準とする。 |
| パッチテストにより、陽性反応が検出された部分を確認試料とする。質量,赤外吸収,紫外・可視吸収,核磁気共鳴( 1 H, 13 C)スペクトル測定のいずれか又は複数を行い,定性する。 |
5.で検出された物質を試薬等で入手 注5) し,ワセリンと混合し,パッチテスト用試料とする。成分濃度は,ICDRGの定めた濃度とする。ICDRGで成分濃度が決定されていない物質の場合は,事故品の混入濃度を参考に定める。
注5)要因となる物質が繊維製品中の不純物の可能性があるため、原料のパッチテストが必要となる場合がある。 |
成分パッチテストにより、陽性反応が検出された画分の分析結果が不明化学物質であった場合、化学構造を特定するのに必要な物質量を分取クロマトグラフ法等により、精製を行う。また,同時に精製物質によるパッチテストを実施し、皮膚障害性物質であることを確認する。化学構造の決定は,各種分析データ 注6) を収集し行う。
注6)各種分析データとは, 1 H-NMR, 13 C-NMR,MS,X線回折等のデータを収集する事となる。 |
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